志望する病院の探し方
はじめに
経営状況を確認する
経営指標が正確に分からなくても、自分の病院が赤字なのか黒字なのか、経営は右肩上がりなのかそうでないのかは分かるはずです。
船が沈み始めてから転職を考えるのはご自身にとって不利なことが多いです。
自分の選択肢を広げる(狭めない)意味でもぜひ毎年事業報告書を確認してください。
転職サイトを確認する
「思っていた仕事と違った」「仕事内容がイメージできない」という方も多いと思います。
新卒用の就活サイトにも情報は載っていますが、それはある意味「学生に向けて書かれた」情報です。
企業側は多くの人に応募してほしいものですし、学生が噛み砕いて理解できる情報に限りがあることから、簡単な紹介しか書いていないことがあります。
ですので、「すでに別の会社で働いている人に向けて書かれた」転職サイトを活用しましょう。
中途採用では、企業、志望者の両者にミスマッチが生じないことが重視されます。
そのため、より具体的な業務、実務をイメージしやすい情報が手に入ると思います。
【病院職員の方】
転職情報が絶えない病院は、それだけ人の入れ替わりが激しいともいえます。
管理職ポジションの求人が出ていることもあるので、若手の方は将来出世したらいくら貰えるのか分かるかもしれませんよ。
少し話は変わりますが、私は社会人は常に転職への意識を持ち続けるべきだと考えています。
今の職場は恵まれているのか、自分の市場価値はどのくらいか、(他院に応募できるほど)自己研鑽を続けているか等は他所の職場と比較して初めて理解できるものです。
職場で辛い思いをしている方は特に視野が狭まりがちです。
転職サイトを眺めるだけでも得られるものがあると思いますよ。
口コミサイトを確認する
「結局入ってみないと分からない」「一緒に働く人次第」という話を聞いたことのある方も多いと思います。
ぶっちゃけその通りなので、口コミサイトを見てみましょう。
「病院名(法人名)年収」などで検索すると出てきます。
口コミサイトは辞めた人が書いているので信ぴょう性が低い!という意見も耳にします。
1人だけ悪い評判を書いているのであればその通りかと思いますが、同じことを複数名が書いている場合はその組織文化の一端を表しているといえます。
入ってみないと分からないことだらけですが、わざわざ危険な場所に足を踏み入れる必要はありません。
【病院職員の方】
嫌な思いをしている方、口コミを書きましょう!!笑
あなたの一筆が未来の被害者を減らすことに繋がります。
ちなみに口コミサイトは登録しないと先頭2行くらいしか読めません。
結論は先頭にして後輩にメッセージを残してあげてください。
志望動機のネタ
次に志望動機のネタをどこから仕入れるかを書きます。
次年度計画から探す①
事業報告書は過去1年間の事業実績について記載されているのに対し、こちらは翌年度以降についての情報が載っています。
先述のとおり、事業報告書はホームページに掲載がない、見つけられない場合もありますが、
こちらは比較的多くの病院ホームページから容易に見つけられると思います。
事業計画書、中長期計画、アクションプランなどの名前で掲載されています。
その名のとおり病院の将来の目標、計画がまとめられています。
現在どんな取り組みを行っているのか、今後大きな予算を用いてどのようなプロジェクトを行う予定かを知ることができ、志望動機のネタの宝庫です。
私も総務として作成に携わったことがありますが、その病院(法人)全体を横断して情報を盛り込みます。
病院は他業界と違い、新商品のアピールや価格競争など、競合相手(他院)との差別化がしづらい環境です。
その中において事業計画書は、年度単位で自院の独自の取り組みをアピールする場であり、組織としての方向性を表す純度の高い情報が詰まっています。
組織が行う取り組みには、現在の強みをさらに伸ばすことと、現状の問題を改善するという2つの目的があります。
後者について書かれている箇所を読めば、今組織内で起こっている問題を推察できます。
例えば、「財務健全化に向けて、~~の取り組みを行う」という文面から、現時点の財務には不安定要素があるということが分かるわけです。
赤字体質の場合もあります。
以上のような視点で事業計画書を読めば、志望動機のネタとしては十分な量の情報が集まているのではないでしょうか。
次年度計画から探す②(注意点)
事業計画には、中の人から読んでも絵空事と思える目標が掲げられていることもあります。
ですが、ESを読み、面接をする方はその絵空事を志望動機に書いてきたから落とす、ということはできないはずです。
なぜなら、それは彼らが所属する組織のトップと中枢によって決定された、組織の指針だからです。
ただし、注意点として、事業計画に書かれている内容を書き写すだけというのはやめましょう。
選考の序盤では、人事部以外の職員が選考に参加することがあります。
現場で働く彼らと、法人本部の方(事業計画を作成した方々)の間には考え方に大きなギャップがあります。
(こんな目標無理だよ)(現場のことを何もわかってない計画だ)と思っている彼らは、
面接で志望者が書いてきた絵空事を深堀りしてきます。
「あなたが考える"患者に寄り添う病院"とは具体的にはどのような病院ですか?」
「"救急応需率を上げる"とありますが、事務としてあなたは何を行うんですか?」
といった具合です。
その問いに対しての回答を考えておいてください。
どうしても回答が浮かばなければ、事業計画から別のネタを引っ張ってくるのもアリだと思います。
また、大きなコスト(金銭、人、時間)がかかる回答も避けましょう。
お金をかければ大抵の問題は解決できますし、すでに働いている職員からしてみれば百も承知です。
【病院職員の方】
こちらもなかなか読んだことがない、存在すら知らないという方も多いです。
事業報告書とセットで読むことをおすすめします。
アバウトにいうと事業報告書で経営状況を数字で確認し、事業計画書で組織の目標を文字(文章)で把握しましょう。
組織は何を問題と捉えているのか、どこに注力していくのかを読むと、現場で働く自分と組織の考え方のギャップが浮き彫りになる場合もあります。
給与や待遇に不満がある職員が事業計画を読んで
「さらなる人件費削減を通して経営健全化を」
なんて書かれていた日には転職必至でしょう。
経営層の考え方を知れる貴重な媒体ですので、ぜひ活用してください。
※この後末尾にもう一回病院職員に向けて書いてます。読んでくださいね~。
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