続・大学職員(医大職員)になりたい方へ
note記事から飛んできていただいた方、ありがとうございます!嬉しいです!
(こちらの記事です)
ここではnoteには書かなかったことを書いていきたいと思います。
noteでは、医大職員になってよかったこと、採用試験でのポイントを書かせていただきました。
ですのでブログでは、医大職員になって後悔したことを紹介します。
(長いです!疲れている方はまたの機会にお読みください!笑)
医大職員になって後悔したこと
競争原理が働かない組織体質、機能しない人事評価
事務職員にとって、医大という組織では競争原理は働きません。
これは人によって良い・悪いの評価が真っ二つに分かれます。
ノルマのない仕事を求める方にとっては良いかもしれません。
一方で、ある程度の目標意識を持って仕事をしたい、競争環境で働きたいという方には医大はお勧めしません。
なぜなら、事務という職種であることに加え、公共性の高い病院・大学という企業文化の中で評価は横並び、役職は年功序列なことが多いためです。
私がこれまで見てきたなかで、この組織文化で最も弊害を受けるのは優秀な若手職員です。
医大の部署の中でも多くの職員が配置されている病院部門を例に挙げます。
病院における事務職員は、第一に届出関係など絶対に落としてはいけない業務を確実にこなすことが求められます。
それ以外の業務は、正直なところ出来ても出来なくても評価にはほとんど影響がありません。
そもそも、病院において事務職員は直接的に利益を生み出すことはありません。
そのため、営業職のように業務達成度や貢献度が数値として表れません。
(実際には貢献度の差は確かに存在していますが)
これはどこの組織にも共通することですが、仕事はできる人に集中します。
病院においても、多くの難しい業務を抱えている若手職員がいる一方で、その半分以下の業務をのんびり行い定時で帰っていく同期・先輩職員がいます。
本来であれば上司が仕事の配分を変えるべきですが、上司自身も同様の環境でキャリアを積んできたこともあり、この問題はなかなか是正されません。
そして前述のとおり、この優秀な職員はその業務量にも関わらず、特別な評価や待遇の上昇という恩恵は得られません。
その結果、こうした優秀な若手職員が何人も転職していくのを目にしてきました。
傍から見ていても明らかに不公平な環境だったので、当人にとっては非常にストレスフルな環境だったと思います。
私自身は例に挙げた元同僚のように優秀ではないですが、似たように感じることは多々あります。
医大を目指す方にはぜひ知っておいてほしい点のひとつです。
公共性が高すぎて制限が多い、コスト度外視の業務
医大職員として働くなかで、多くの制約を感じます。
病院は保険診療を行っていますが、あくまでも収益構造は営利組織と変わりません。
ですが世間は「患者の治療のためにはどんなコストもいとわないべき」と考えています。
今回のコロナ対応でもそれは明らかになったと思います。
また、大学は国から補助金を交付されていますが、同時に自らが外部資金を獲得することを求められています。
こちらも世間からは「大学はそろばん勘定などしない公明正大な組織であるべき」ということが求められています。
この二つが組み合わさった組織が医大の附属病院です。
これは、多くの点で業務の障壁となります。
例えば、行き過ぎたサービス精神です。
このブログを読んでくださっている方のなかにも「患者からのクレームや意見対応のために一日つぶれて他の仕事ができなかった」という経験がある方が多いと思います。
民間企業で考えれば「そこまでの対応はできません」「嫌なら別の病院に行ってください」で突っぱねることができるクレームが相当数あります。
私は病院といえど過剰なサービスは不要という考えなので、(この時間を他の業務に使えれば…)といつも思っています。
また、営利的な考えを出すことがタブーなことも不自然に思います。
例えば、市民向けの公開講座を行っている病院は多いですが、私の知る限りほぼ全てが無料で受講できます。
準備にもそれなりのコスト、リソースを割いていますが、無料
教授クラスで現場経験も豊富な演者が話をしても、無料..
なんなら講師に謝金を払うことも多いのに、無料...
有料にすればいいのに、と思ってしまいますがそれは許されません。
「そこで病院の名を売って患者に来てもらえばOK!」という考えもあります。
ですが、無料の公開講座が病院選択の際に作用するだろうかと疑問です。
それならば、大学病院に来院する患者の多くは近隣地域から来院していることや、多くの患者はかかりつけ医の紹介状をもとに来院することを考えて、近隣医療機関へのマーケティング戦略に注力する方がよいのではないでしょうか。
これらはあくまで一例ですが、医大という公共性の高さゆえにコスト度外視の業務を強いられる現状をなんとか改善できないかと思案する日々です。
結局はその人がどう思うか次第
noteとは打って変わって散々な書き方をしましたが、大切なことはこれらの現状をご自身の価値基準で判断することだと思います。
医大の年功序列を「頑張らなくてもいいならラッキー!」と捉える方もいるでしょうし、コスト度外視の体質を「自分には関係ないしどうでもいいや」と考える方もいると思います。
それはそれで個人の考え方なので自由です。
ですが、同じ道を先に歩んだ者として「自らの考え方が変わる可能性」「職場で予想外の立ち位置になる可能性」を忘れないでほしいと思います。
「自分は野心がないからノルマなしの医大に」「評価が横並びで年功序列な医大に」ということを目指して入職したはいいものの、「頑張っても頑張っても給与には反映されない...」
「なにもしていないおじさんばかりがいい思いを...」なんてことになりかねません。
あまり能力が高くないと思っていた自分より仕事ができない人がいて、多くの仕事を任される...ということもあり得るということです。
当たり前ですが、良いこともあれば悪いこともある。その逆も然りです。
せっかくここまで読んでいただいたので、ぜひそういったことも含めて自分が医大職員として働くことを考えてみてほしいと思います。
今回の内容と重なる箇所もありますが、こんな記事も書きましたのでぜひ読んでみてください。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
まあまあ長文でしたね。笑
就職前の学生さんはフルタイムで働くということをイメージしにくいと思います。
そんな方に医大の良い面だけでなく、(私にとって)悪い面も知ってほしかったというのが本音です。
転職活動中の方にも、大学職員はホワイトなだけではないですよ、ということを知っていただけたならいいなと思います。
(民間に比べて甘い点が多いことは間違いないです。そこはご安心を。)
またnoteと両輪で更新していけたらいいなと思います。
お読みくださりありがとうございました!!
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サラサラ~ |
ずっと使っていますが使用感いいです。香りもおすすめです。 |
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